仮想通貨事業を新たに定款に盛り込む企業が相次いでいる。上場企業の株主総会の招集通知などから集計したところ、過去1年でエイベックスなど約30社が仮想通貨に関連する文言を新たに定款に盛り込んだ。仮想通貨交換業への規制が強化されるなど仮想通貨の事業環境は厳しくなっているが、今後の成長に欠かせないとの考えだ。

すでに手がける事業と組み合わせて相乗効果を狙う企業が多い。エイベックスは6月22日の総会で定款に仮想通貨交換業を加える定款変更案を可決した。同時に電子マネーの発行や決済システムの提供も加えた。音楽アーティストの公演を企画運営しており、ライブ会場でのグッズ販売などに活用できるとみている。

クラウドワークスは2017年12月の総会で定款を変更した。ネット経由で仕事の受発注を手がけており、同社を通じて働く人の報酬や社内決済などに仮想通貨を導入。さらには外部の人も利用できるようにすることを目指すとしている。

18年1月のコインチェック(東京・渋谷)による巨額流出事件を機に金融庁は仮想通貨交換業への規制を強化しており、主要な交換業者に対して業務改善命令を立て続けに出している。世界各国の規制強化の流れが影響し、主要通貨のビットコインは価格の変動が大きい状態が続く。

仮想通貨に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの廉了主席研究員は「規制強化への対応などで参入障壁は確実に高まっている」と指摘。定款に記せば事業に参入できるものの、実際に収益につなげられるかは不透明な部分もある。

参照元:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32498850S8A700C1DTA000/

仮想通貨参入で定款変更相次ぐ エイベックスなど30社