ビットコインがバブルであるかどうかはともかく、この仮想通貨の「マイニング(採掘)」に必要な電気代がビットコインの存続を脅かす可能性がある。
ビットコインは8000ドル(約91万円)に近づいたが、現在の成長トレンドと電力使用に基づくと、採掘の採算が取れるためには2022年までに30万-150万ドルという途方もない価格になる必要がある。シティグループのアナリスト、クリストファー・チャップマン氏が試算した。
「そんな水準に達する前に、各国政府が採掘に対する規制や課税によって電力使用を抑えると思う」と同氏は9日の電子メールで説明した。
採掘は、ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)として知られるネットワークと共に仮想通貨を支えている。採掘者はプルーフ・オブ・ワーク(POW)という仕組みの下でビットコイン取引承認の作業をし、その報酬としてビットコインを受け取る。
POWシステムでは高性能のコンピューターを使って最も早く承認ができた採掘者が報酬を受け取れる。そのための電気代の高さや採掘者間の競争激化がここ数年問題になってきた。そこで、POWからプルーフ・オブ・ステーク(POS)というシステムに移行する案が出た。これは早さではなく既に保有しているコインの量によって採掘者に作業と報酬が割り当てられるシステムだ。そうすれば膨大な電力を消費する高性能コンピューターがいらなくなる。
採掘に消費される電力量を直接測る方法はないが、ネットワークに連なる採掘用コンピューターの爆発的増加を見る限り、採掘者らはビットコインが適正な範囲を超え無理な水準まで高騰することを見込んでいるようだ。
チャップマン氏は7日のリポートで「今の激しい競争は既存の採掘者の利益にならないため、ビットコインのネットワークがPOSモデルに移行するかもしれないわれわれは考えている」とし、「そのような動きが論争を呼ばないということはないだろうが、ビットコインの存続のために必要かもしれない」と記した。
原題:Bitcoin’s Exorbitant Energy Costs May Prove to Be Biggest Risk(抜粋)