近年、メディアに仮想通貨が取り上げられることが増えてきており、仮想通貨を用いた投資を行っている方も少なくない状況です。それに伴い、イニシャル・コイン・オファリング(Initial Coin Offering/ICO)という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。仮想通貨という言葉は知っているけどイニシャル・コイン・オファリングが何かわからない方もいらっしゃるかもしれません。

イニシャル・コイン・オファリングとは近年話題となっている、仮想通貨を利用した資金の調達方法です。イニシャル・コイン・オファリングを利用して数億円規模の資金を集めた企業も出てきており、短期間で多額の資金を集めることができる手段として注目を浴びているのです。しかし昨今、中国では仮想通貨の取引が中止になるなど障壁も多く、世界各国ではイニシャル・コイン・オファリング(IOC)に関する取り扱いに関する規則を構築しています。このようにICOに関する情報を今回はご紹介したいと思います。まだICOをよく知らない方や詳しく知りたい方のご参考になるよう、ICOの仕組みや利用するメリットやリスク、さらには各国のICOに対する対応をご説明します。ぜひご参考にしてください。

 

イニシャル・コイン・オファリング(IOC)とは

はじめに、イニシャル・コイン・オファリング(IOC)とは何なのかをご説明します。イニシャル・コイン・オファリングとは、簡単に言うとクラウドファンディングのようなものです。イニシャル・コイン・オファリングでは資金集金のための手段として仮想通貨の技術を利用しています。発行者はブロックチェーン上で「トークン」と呼ばれる仮想通貨や「コイン」を発行します。投資家はトークン発行の概要を確認し、トークンやコインを購入することで対象の企業をバックアップすることになります。イニシャル・コイン・オファリング(IOC)は現代IPOに代わる資金調達手段として注目を集めています。

イニシャル・コイン・オファリングでは、新規の株発行を行うIPO(Initial Public Offering)と比較してトークンを利用することで、監査の必要がなく、証券会社など特定の金融機関を幹事とする必要がありません。その他、IPOでは決められた基準があるのに対し、イニシャル・コイン・オファリングには事業者が自由に基準を設けることが可能です。こうしてIPOとIOCを比較するとイニシャル・コイン・オファリング(IOC)では誰でも資金調達がしやすくなり、近年話題の仮想通貨を利用することで様々な投資家に興味を持ってもらいやすい手段であるといえるかもしれません。

 

また株式投資は「株価が割安な時に購入する」のに対して、イニシャル・コイン・オファリングは「提示されているプロジェクトが成功するか」、「プロジェクトが成立する見込みが薄いのか」等を考えて購入する必要があります。イニシャル・コイン・オファリングは新たな資金調達手段として、投資家の注目を集めています。とはいえ、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の市場が大きく動き出したのはごく最近のことであり、つい昨年(2016年)に入ってからのことです。仮想通貨の普及率が上がっていくとともに、ICO市場も着実に拡大してきています。ある仮想通貨情報サイトの調べによると、本年(2017年)4月から6月度に行われたイニシャル・コイン・オファリングによる資金調達額の増額は8億ドルにも達しているといわれており、この値はエンジェル投資家やベンチャーキャピタルによる投資額2.4億ドルを大きく上回っているということです。

 

イニシャル・コイン・オファリング(ICO)のメリット

イニシャル・コイン・オファリングはなぜこのように急速な拡大をみせているのでしょうか。それはイニシャル・コイン・オファリングによる資金調達には大きなメリットがあることが理由となっています。資金調達する側から見たIOCのメリットは、銀行や証券会社の仲介を必要とせず、直接投資家から資金を調達できることにあります。IPOでの資金調達と比較するとICOでの資金調達はコストが10分の1に抑えられることがあげられます。資金調達のハードルが低いということは資金が調達できなかった場合について、ICOを行うというだけでも、インターネット上で世界中の多くの投資家を募ることが企業の公益性をアピールするという点で企業側のメリットとなっています。

またイニシャル・コイン・オファリング(ICO)では株式発行と異なり、トークンを購入してもらう出資形式となりますので、株券の発行による株主の議決権、持ち株分による圧力を受けることがありません。イニシャル・コイン・オファリングは、必要な資金を調達できるだけでなく、投資家からの制限がなく自分のやりたいことを自由に実施することができます。さらにイニシャル・コイン・オファリングでは、仮想通貨を利用する唐琴の特徴があります。資金調達スピードが早く、低額の手数料で資金調達が可能になります。これは企業側だけでなく、投資家にも言えるメリットです。

その他投資家から見たイニシャル・コイン・オファリング(ICO)のメリットは、誰でも自由に、世界中、様々な案件に少額からでも投資できることです。ICOでは個人や投資額に関係なく企業への投資が可能です。イニシャル・コイン・オファリングでは、コインやトークンの価値の変動によって売却益を得ることができます。

 

イニシャル・コイン・オファリング(IOC)のデメリット

物事には、必ずデメリットやリスクがあります。イニシャル・コイン・オファリング(IOC)を行うのに際し、ICOのデメリットについても考えていきましょう。

まず初めにあげられるイニシャル・コイン・オファリング(IOC)のデメリットとして、出資を行った場合についてもIPOと同様に株主になれるわけではなく、議決権や裁量権をもって、事業に関する意見を挙げていくこと、企業の経営に介入ができないことです。そのほかにもせっかく手に入れたトークンについても登録仮想通貨交換所で取り扱いができない仮想通貨であった場合は、換金ができない可能性があります。またICOでは特別な規定がないために、資金集めが目的で上場するつもりがない企業がICOに参加している場合もあります。資金調達のみを目的としており、資金回収後開発自体を放置する可能性もあります。実際にICOを利用した詐欺まがいの資金調達もあるようです。

イニシャル・コイン・オファリング(IOC)で失敗しないためにICOを利用する上で、注意すべき項目を挙げさせていただきます。

  1. ホワイトペーパーを確認する
  2. 資金の必要性に気を配る
  3. 仮想通貨やトークンの価格の保証があるものを選ぶ
  4. 買取の事例や保証を確認する。
  5. 最低購入価格の提示があるものを選ぶ

ホワイトペーパーとは具体的にどのような事業を展開するのかなどを記載した資料です。ホワイトペーパーは投資を行う際に必要な判断材料です。このホワイトペーパーの掲載がない場合、ホワイトペーパーの内容に具体性がない場合は気をつける必要があります。大抵のホワイトペーパーは英語で書かれておりますが、翻訳してきちんと内容を理解するようにしていきましょう。その他にも仮想通貨のソースコードが公開されていないもの、何の根拠もなく値上がりを保証するという文言にも注意が必要です。挙げさせていただきました項目を参考に、様々な案件要項を確認しICOに参加していくことが大切です。

イニシャル・コイン・オファリング(IOC)に関する情報はインターネット上でも確認することが可能です。本年の10月からは日本発のICOプラットフォームが開設されたというニュースもあります。仮想通貨の動向とともに、これからのICOの動向にも注目していくことが必要です。

参照元:https://bitcoin-joho.com/oyakudati/1434.html

イニシャル・コイン・オファリング(IOC)とは